フォースタス博士

クリストファ・マーロウ作の戯曲「マルタ島ユダヤ人」をもう一度読もうと思って図書館に行ったところ、うれしいことに未読の「フォースタス博士」も一緒に収録されいるものがあった。
「フォースタス博士」はゲーテのライフワーク「ファウスト」でも有名な16世紀の人文学者ファウストをモデルとしたお話。
翻訳された方のセンスもあるのだろうけれども、フォースタス博士さんとメフォストフィリスのやり取りがコミカルで面白い。そして、フォースタスが悪魔に魂を売ってまで手に入れた魔術をすごく笑ってしまうようなことに使うのがなさけない(笑)
ところが、最初はそれほど恐ろしくは無かったメフォストフィリスが段々その本性を表すようになり、罪の意識と神の怒りへの怯えの為にますます目前の快楽にすがりつくことになるフォースタス博士が憐れに…。
悪魔との契約期限がジリジリと近付いてくる様子、悪魔に連れていかれることになる最後はかなりコワイものがありました。
台本なので全てが台詞です。単なる読みものとしてとらえるとテンポが良く読みやすい。
ISBN:4885140145