CSOIのジェフと…そしてヤグと…つれづれに

ジェフの06CSOI*1の「high」の映像を見ました。他のグループナンバーとかはまだ見ておりませんが。
うんうん、私の記憶の中のジャパンオープンのジェフと繋がる。そう、こういうプログラムだった。巧みなプロだけども、実にゆったりと伸びやかなプログラムだ。この振り付けはジェフ本人によるものかしら。ただ、かなりあか抜けているというか、上手く剪定されているプログラムだから、ウィルソン氏の手がかなり入っているとは思うのだが…。どっちにしてもジェフ主導で作られたものではなかろうかなぁって印象を受けるのですが…。
なんだろか、とても気持ちよさそうに、とても幸せそうで、とても満たされていて、そして何もかもから解放されたように壮快な演技。そこにはオリンピックの為に自ら背負い続けた錘はもうなく、次からの競技に向けての予行演習っぽいことをする必要ももうなく、ただただ、観客の前で自分の世界を表現することを楽しみ、そして、なんだろか、ギアがニュートラルな状態であることをいかにも心地良さそうに…実に自然で伸びやかな演技*2。これからはまた新しい道を好きに歩いていける…というような期待と、そして、二度と戻ってこない今までの日々への惜別のようなものをほんの少しだけ感じさせるような…とってとても味わい深い演技でした。

ジェフのCSOIのレギュラー出演そのものにとても感慨深いものがあるね。レギュラーとしては2年目になるけども、前回の05年のツアーは急遽フル出演になったんだよね、元々は2か所ほどのゲスト出演の予定だったけど、でも、世界選で銀メダルを取ったことによってフル出演になったんだよなぁ。ヤグディンとジェフがそろってCSOIで滑ったんだよね、これだけは現地に行って見ておきたかったなぁと。もうヤグはこのツアーにはいないんだもんなぁ。

と、ついヤグが恋しくなって、02年ソルトレイク五輪シーズンのCSOIのビデオをひっぱり出して振り返ってしまいました*3もうこの時のヤグはまさに大輪の花といったところでしょうか、嵐のようなスタオべを受けております。観客を一人残らず熱狂の渦にまきこんでしまう人なのだ。
あと、ブライアン・オーサー、カート・ブラウニングと3人で見事なタンゴも披露、これね、オーサーとカート比べてしまうと、ヤグがちょっとだけ拙い*4のだけども、でもフィギュア界の巨星3人によるタンゴ、すっごくかっこよくとても見応えがあります。

私がジェフのことを応援するようになったきっかけにヤグの存在は大きく関わっているの。ヤグがいなければ、ジェフのファンになっていなかったかもしれないのだ。ヤグがいなかったら、私は長野まで世界選手権を見に行こうとは思わなかったと思う、もちろんフィギュアスケートは大好きだったが、当時、身体を悪くしていたことがきっかけに仕事を全くしていない状態で、毎日をグータラすごしているのに、それなのに自分だけ長野まで競技を見に行くというのは、とても気がひける状況だったのだわ。でも、ヤグをどうしても見ておかないといけないような、強迫観念のようなものにとらえられて、見に行ってしまったのだ。
ヤグがいなければ、私がジェフのラストエンペラーに心奪われることもなかっただろうし、ヤグがいなければ私は翌シーズンのスケートカナダを見に行くこともなく、あの時のジェフの悲惨な演技を見ることもなかっただろう(汗)あの悲惨な演技を見なければ…私はジェフに対してここまでの思い入れはなかったかもしれない(笑)


それぞれオリンピック後のCSOI。ヤグとジェフでは選手としての格はかなり違う。性格もすごく違っていると思うし(笑)育った環境やらそれまでの競技人生も全然違う。
こうしてオリンピック後に自国のツアーで銅メダルのお祝いをできるジェフと、金メダルなのに自国のロシアで滑るまで数年を要したヤグ。
それぞれが目指している世界も全く違うものだろうと思う…。でも、両方とも、それぞれの映像の中でとても幸せそうで満たされている、それだけは同じなの。
奇しくも、オリンピック後の今シーズン、7月あたりからの不穏な情報、ショーのキャンセル、そしてGPシリーズのスキップと、そう、具体的な原因は違えども…何やらどこかでデジャブ感。
あの時と同じように…ずーっと見守っているからね、応援しているからね…という気持ちだ。

しかし、02CSOIのヤグ、今になって思うとすっごく若いです。…けど、この時、現在のジェフよりも年下なんだよね…まだ22才になったばかりだったかと。…ジェフがすごく若く見えるというものあるけども、ヤグが貫禄ありすぎで老け(以下省略

*1:4月のハミルトン公

*2:…といっても、たしかこれはリテイクだったはずだから…楽しいばかりではなく微妙なプレッシャーがあったと思うけど(笑)http://forums.starsonice.com/topic.asp?TOPIC_ID=2102

*3:そうそう、数年ほど前は今のように動画がいっぱい出回っていたわけでは無かったよね。今はカナダやアメリカで放送された番組が数時間後には即動画として出回って、誰でもそれほど苦労しなくても見られるようになったけど。ヤグの海外放送でのショーの演技を見るために、AYDGのRRに参加して、ビデオを皆さんで回覧してやっと見ることが出来るという、そういう環境だったのだ。日本人同士による回覧だったけども、でもあのボードに拙い英語でレスをするのにすっごく勇気がいったものですわ。たぶん、このブログでおつきあいいただいている方にはきっとそのお仲間であった方、というよりもお世話をしてくださった方もおられるにちがいないです。感謝

*4:いや、そこがかえって良いハーモニーになっている感じがする