オリンピック 男子SP（2）雑感その2
予想通りといえば予想通りのショートの結果だったりする。
プルさん、独走、そしてジュべ、ランビ、そして北米＆日本の誰か一人がメダル争いをするだろうと。さらにいえば北米勢の中で事前の国内選手権で一番ジャンプの出来が良かったジョニーがくるだろうなぁと・・ある程度の予測があった。ただ、他ライバル選手もジャンプが決まってしまうと、曲想表現の部分でジョニーがやや不利かもなぁと思ったりもしていたけど、その部分もふくめて今回のジョニーは誰よりも強かったね。ここは「自分主義」をつらぬこうとするジョニーのイイ部分が上手く作用したかな。トップレベルの選手ならば誰でも抱える「周りからのプレッシャー」と「自分にかけるプレッシャー」を自分の中で飼いならし、自分の世界を作る。すばらしい演技だった。
ランビエールの出来は悪くなかった。苦手なトリプルアクセルをダブルで上手くかわすことができたし。プログラムもとても素敵で、こういうのはランビでなければ演じらえないと思う。でも、私のランビに対する期待が大きすぎるのかもしれないけども、、なんというか味気ない演技だったなぁと。このあたりは新プログラムにしたことの影響とか事前の怪我による練習不足もあるのかなぁ。どんなに素敵なプログラムでも味が出るにはそれなりに時間がかかるだろうから。そのあたりがジョニーとのPCSの差に繋がってしまったかな。フリーでは元気いっぱいでお願いしたいけども、、なんかすっごく心配なのよ。。なんとなく。。
ジュベールは気合いが良い方に出ていてとてもイイ演技だったと思う。最初のコンビネーションのお手付きがとてももったいなかったけども。ジュべの持ち味は気合いと豪快さ、そして「ひたむきさ」だと思う。音感や身体の柔らかさに恵まれていないと思われるジュベールがその弱点を一生懸命克服しようとしている演技には心動かされるものがありました。
ライサチェクはウォームアップ時から転倒場面が映っていて、、これはちょっとマズイ感じかなぁと思ってました。表情もいつもよりも緊張しまくっているのがありありとわかる感じ。ステップからのルッツがダブルになったときは「あ〜これは駄目ですね、ここはステップからのトリプルジャンプでなければなりません！！」と、Jスポ解説の杉田さんのしゃがれ声が頭の中で響きましたわ。。ちょっと見ているのが辛かったわ。でも、キスクラでキャロルコーチが優しく慰めている様子にちょっとほのぼの〜いや、そんなことを思ったらライサに悪いね、すまん。でも、ライサはまだまだ未来があるから、そんなに辛そうにしないでー（涙）。。変な慰め方になるけども、ライサはシニアにあがってからそれほど大崩れをしたことがなかったよね、ジョニーの03全米とか、ジェフの04カナダナショナルとか、大ちゃんの数々の全日本とか*1、そういう悲惨な演技ってやらかしたことが無かったと思うのよ、でもこれで君も「どん底演技」の経験者だ！これからきっともっともっと強くなる！！フリーでは思いっきり素敵なカルメンを滑ってほしい。
エマはやはりエマだった。驚きは無い。。。ただ、最終滑走のプレッシャーの中、よく4-3を降りたなぁと。
大ちゃんは、トリプルアクセルの着氷をミスっただけという、考えてみればものすごく良い出来。なんとなく1番滑走故に「小さなミスもゆるされん！」って思い込んでいたので、「あぁだめだ」って思ってしまったのだけども、、後々に滑った選手達の崩れようを思うと凄いことだ。PCSは大ちゃん的には良く出たのかものかもしれないが、ジョニ、ランビ達と闘うにはちょっと弱いか。でも、大ちゃん、本当に強くなったね、、うん、これは来年の世界選＠東京にすっごく期待できると思う。日本人初の世界チャンピオン誕生なるかもと。ちょっと夢を見過ぎですか・・・。
プルシェンコに関しては、ソルトレイク以降は怪我との闘いでここまで選手生命が持たないのではないかと思ったこともありました。それ故にプルさんがこの場所で、あの演技を披露できたこと、とても感動した。天才少年だったプルさんだけども、ここに至るまでにはどれほどの苦しみがあったことか。演技は私の好みからはちょいと外れている方ですが、でも、どの音楽を使ってもキテレツな動きのプルさん、、、フリーでもさらに弾けてくれることを期待。
ジェフは・・・精神的な問題にしろ、ピークをここに持ってこられなかったにしろ、どっちにしてもそれが今の実力と。やっちまったことは仕方ない、気持ちの切り替えができていることを願うばかりだわ。。ところで、あの「ジャッジ席飛び込み笑顔」ですが、ジャンプの出来が悪かったせいだろうか、いつもの「どう？」って感じじゃなくて、やや自嘲気味の「失敗しちゃった、、テへ」になっていたような感じがしたのは気のせいでしょか（笑）
チェンジャン、ケヴィン、リンデマン、ダンビエ先生、クリムキンこの辺りの選手がいわゆる「メダル候補達」の間に割り込んできたら面白いのになぁと思っていたのですがね。。残念〜。
さて、いよいよですね。
