行ってきましたCanadian Championships(11)フェドール・アンドレーエフ

お次は素晴らしい復帰をはたしたフェドール君。


あの明るいナルシストっぽい感じをすっかりネタっぽく書いてしまっておりますが、「この場にいることが楽しい!スケートが楽しい!がんばる俺を見たまえ*1!」って感じの雰囲気がとても素敵で、すっかりとお気に入りの選手になってしまいましたよ。
ショートプログラムは大きなミスなく素晴らしい出来でした。もう本当にノビノビと情感ゆたかに…、ストローク一つ一つにこれまでのスケートへの思いを全て刻んでいるかのように…。
これほどブランクがありながらも、これほどの演技ができるものなのかと……「才能って…こういうことか」と。同じグループや下のグループでは、ずっとずっとコツコツ努力しひたすら競技を続けている選手だっているわけで……、なんとも複雑な感情を持ってしまったのも、あのときの正直な気持ち。
最終グループの一つ前のグループの最終滑走だったのですが、ここまでに滑った選手達とはあきらかに頭ひとつ抜けている風格のある演技。終盤はうっとりと見入ってしまった。
会場からは大きな拍手となんとも暖かい雰囲気のスタオベ。キスクラで母上であるズエワさんとハグしている姿は心温まるもので、ズエワさんもとても幸せそうにしておりました。


さて、フリーの日の朝練。
本会場ではぺアフリーがはじまっているので、この練習を見にきているのは、私のように日本からきた方々や、選手の身内のような感じの方々がちらほら…といった感じ。
しかしながら、どことなくスケートファンとは違う雰囲気のグループが…、、あ、フェドール君のバナーを出してる、、ということで、フェドール様ファン倶楽部の方々か?………うん、スケーターのフェドール君のファンというより、モデルやレーサーをやっているフェドール君個人の取り巻きかご友人…といった雰囲気か……。
このときの練習も、彼一人煩かった(笑)とにかくフェンスのところでキャラハンコーチ相手によく喋る!ジャンプでパンクすると「おおおっ!わおっ」とか大声を出す(笑)
ジェフと接触しそうになった*2あと、ジェフが「sorry!」とあやまりにきたら、陽気にペラペラと喋りだして……ジェフは最後まで聞いてなかったような(笑)いやはや、本当に明るく楽しいお人!

で、肝心のフリーの演技ですが、ショートでは一つ前のグループで、いわゆる世界で闘っている選手のいないグループだったので、風格が違う…と感じたのですが、やはり、ショーン・ソーヤーの後では、そういう感じはしなくなってしまったかなぁ。ショーンがとても良い演技をした…というものありますが、うん、GPにアサインされるクラスの選手のまとっている空気は…やはり何かが違う。その何かをうまく説明できないのですが…。
前半は本当に素晴らしかったです。トリプルアクセルのコンボも、セカンドはダブルになってしまったけど、とても美しかったです。後半はやはり体力不足…になるのかなぁ、、細かいミスを連発していて、なによりも演技に引き込む力が弱まった…感じでした。ふと、Jスポの解説の杉田氏がよくおっしゃっておられる「ショートでは隠せていた部分も、4分半というフリーでは見えてくる」というような言葉を思い出しました。

しかし、しつこいようですが、これほどのブランクがあって、この年齢で、本当によく戻ってきたと。いったいどれほどの努力があったのだろう。でも何故だか一つも苦悩という言葉を感じさせない……見せないとも言えるのかもしれない…あの雰囲気。本当に素敵な選手だ。
あの華麗なお姿、来季も是非見せてもらいたい。このナショナルが彼にとってのゴールでなくスタートだといいな。

*1:フェドール的…〜たまえ、というニュアンスはyukoさんによるものでございます•笑

*2:ジェフのジャンプの軌道にフェドール君が入って、フェドール君があわててよけて、ジェフはそのままフリップを跳んでいたかと