選手とコーチ、、びっくり、つれづれ…

ランビエール君が子供のころから一緒だったピーター・グリュッター氏と離れて、ペトレンコ氏に師事することが決まったようで、オフィシャルサイトにはペトレンコと、そして、彼の現役時代のコーチでもあり義母であるガリーナ・ズミエフスカヤの名前が。
ものすごくビックリ。まず、コーチ変更が噂されていたのは知っておりましたが、本当に離れることになったのはやはり驚いた。長年同じコーチとやってきているランビエール君が、この年齢になって海外に拠点を移し、新しいコーチと組むのは大変な勇気がいったことだろうと思う。
次のビックリは、彼らがジョニー・ウィアーのコーチでもあるということ。
今季は勝ち越した相手とはいえ2度の世界タイトルとオリンピック銀の実績を持つライバルが飛び込んできたわけだ。そりゃジョニーも驚くよ。


ジョニーは現時点ではこの体制で続行するようですね。
ジョニーのメインコーチはズミエフスカヤ、ランビエール君はペトレンコといった具合に分担していくことになるのでしょうか。


フィギュアスケートはジャッジが採点をする個人競技で、ライバルと直接対峙する…というような競技ではない。あくまでも「自分のできることを最大限やる」だけ。誰がどうあろうと、自分にできる最大の努力でトレーニングをし、競技会の場で「自分のプログラム」を滑る。あとはジャッジが決めること。だから同じコーチの下で同じレベルのライバル関係の選手がいても、問題ないといえば問題ない。
両方の選手の能力を最大に引き出して最高の状態に持って行き、最高の演技ができるように持って行くこと。同門の教え子二人が直接睨み合って対決するわけではないし、ただそれぞれにベストが尽くさせるだけ、結果はジャッジ達がくだす。
それだけのこと。
しかしながら〜、、、今のフィギュアスケートはそんなシンプルに成り立っている競技ではないよな〜。



選手はプレッシャーや不安に取り巻かれて、観客に四方八方から見つめられて、たった一人でリンクの中央に立つ。
コールされる直前の選手達のあの様子、コーチに手を握ってもらって深呼吸する選手、コーチと見つめあって最後のアドバイスを貰う選手、選手の背中をおまじないのように撫でてやるコーチ、眼力で選手を守っているかのようなコーチ、、あの光景にはいつも胸が熱くなる。
あの瞬間、何も見えなくなったり周りの全てが敵に見えてしまってもおかしくないようなあの凄まじい緊張感の中、その中でたしかに認識できる唯一の自分だけの味方、それが、苦しい苦しいトレーニングを一緒に過ごしてきたコーチの存在なのではないのかなぁ。
どんなに酷い演技をした後でも必ずコーチが迎えに出てエッジケースを手渡してくれる。慰め、励まし、お説教モードの入ることもあり、選手と一緒になって落胆している場合もあり、あまりのあちゃ〜な大自爆に固まって置物と化している場合あり*1だけど…、どんなときでもコーチは闘い終えた選手の帰ってくる場所。
そのコーチを、たった一つのメダルやメダルの色を争うライバルと分け合うのは、それはそれは難しいことだろうな……。
(もちろん、最初は力の差が大きかった同門の後輩が急激に伸びてきて、そういうことになるケースもよくあること。それは起きて当然のことで、一緒に練習していれば後輩がどれくらい伸びてきているか、それが起こる可能性はいくらでもあることを知っているだろから、それでもその状態はとても難しいことなのだと思う、、だからこそどっちかが出ていくことが多いのだろうから。)


同じチームの選手二人が、共に刺激しあってトレーニングし、互いに一回りも二回りも大きくなり、そして大舞台で互いに力の全てを発揮してワンツーになり、2位になった選手も心から自分の結果に満足できたならば、、、本当に素晴らしいことだと思う。それを成し遂げられたら、本当に奇跡のようなチーム。

ズミエフスカヤチームにそういう未来があるのかどうか、私には今は想像がつかない…。

でも、ジョニーにもランビエール君にも…今回のことが最終的に多くの実りをもたらすものであると、そうあって欲しい、きっとそうあるべきものに違いない、と思ってます。。。うん。

*1:…よくに見る光景